「競走得点ってなに?」
「競走得点の見方は?」
「どうやって計算してるの?」
という方に向けて、この記事では競走得点の意味や見方についてまとめています。
競走得点とは、簡単に言えば「選手の強さ」を最も簡単に表した数値です。
直近4ヵ月の成績を参考にして、成績が良い選手は高い数値に、成績が悪い選手は低い数値になります。

また、一般的には、2名の選手の競走得点に10点以上の差がある場合は、その2名の選手には明らかな実力差があると言われています。
逆に、競走得点に4~5点しか差がない場合は、大きな実力差はないと考えたほうが良いでしょう。

このように、競走得点について詳しく知ることは、競輪予想の的中率を上げるための第一歩になります。
一緒に勉強して、競輪勝ち組を目指しましょう。
この記事の目次
競輪の競走得点とは?
この記事の始めにも説明しましたが、競輪の競走得点とは、簡単に言えば「選手の強さ」を最も簡単に表した数値です。
(出典:Kドリームス)
例えば、上の出走表を見ると、9番車「和田健太郎」選手の競走得点が最も高く、他の選手と比べて強そうだと判断できます。
逆に、6番車「菊地圭尚」選手は競走得点が低いので、活躍が期待できません。
「KEIRIN.JP」や「Kドリームス」の出走表では、競走得点の最も高い数値が赤字になっているので見やすいですね。

その理由は、競走得点の計算方法にあります。
具体的な計算方法を見ていきましょう。
出走表の競走得点は直近4ヵ月間の平均
競輪選手は出走したレースの成績に応じて、1レースごとに競走得点を獲得することができます。
そして、出走表に載っている競走得点は、直近4ヵ月間の「獲得した競走得点の合計/出走したレース数」で計算されています。
例えば、ある選手が直近4か月間で5レース出走して、獲得した競走得点が「108点、106点、109点、110点、105点」だったとします。
この場合は、出走表に載る競走得点は「(108+106+109+110+105)/5=107.6点」と計算できますね。
実際には、競輪選手は1ヵ月間で6~9走するので、出走表に載っている競走得点は24~36レース分の成績によって決められています。

獲得できる競走得点はレースのグレードと着順で決まる
選手が1レースごとに獲得できる競走得点は、レースのグレードと着順で決まります。
GPやG1などのグレードの高いレースに出走したり、1着や2着などの良い順位を獲ったりすることで、たくさんの競走得点を獲得できるということですね。
選手が競走得点を何点貰えるのかは、レースの番組表を見ることで確認できます。
例えば、下のイラストはG1「オールスター競輪」の番組表です。
赤く囲った「決勝」の左上に「128」という数字が書いてあることが分かると思います。
この「128」という数字は、そのレースで中間着(9車立なら5着、7車立なら4着)を獲ったときの競走得点を表しています。
そして、獲得できる競走得点は、中間着から着順が1つ上がるごとに+2点され、中間着から着順が1つ下がるごとに-2点されます。
つまり、G1「オールスター競輪」の「決勝」の着順ごとに獲得できる競走得点をまとめると、下の表のようになります。
着順 | 競走得点 |
---|---|
1着 | 136点 |
2着 | 134点 |
3着 | 132点 |
4着 | 130点 |
5着 | 128点 |
6着 | 126点 |
7着 | 124点 |
8着 | 122点 |
9着 | 120点 |
上の表から、G1「オールスター競輪」の「決勝」に出走できれば、競走得点を最低でも120点だけ獲得でき、最高で136点も獲得できることが分かります。
次に、G1よりもグレードの低いF2の番組表を見てみましょう。
赤枠で囲った「決勝」の左上を見ると、「99」という数字が書いてあることが分かります。
つまり、このF2の決勝では、中間着を獲ったときに99点の競走得点を獲得できるということですね。
先ほどと同じように、着順ごとに獲得できる競走得点をまとめてみました。
着順 | 競走得点 |
---|---|
1着 | 107点 |
2着 | 105点 |
3着 | 103点 |
4着 | 101点 |
5着 | 99点 |
6着 | 97点 |
7着 | 95点 |
8着 | 93点 |
9着 | 91点 |
上の表から、このF2の決勝では、91点~107点の競走得点が獲得できることが分かります。
一方、G1「オールスター競輪」の決勝では、120点~136点の競走得点が獲得できました。
同じ決勝でも、獲得できる競走得点はレースのグレードによって全く違うということですね。
このことから、出走表に載っている競走得点(=直近4ヵ月間の平均の競走得点)が高い選手は、高いグレードのレースで上位の着順を獲っている選手ということになります。

競走得点は級班(ランク)にも影響
競走得点は、選手の級班(ランク)を決定するためにも使われています。
級班とは、競走成績によって選手を班分けしたもので、高いほうから順番に「S級S班」「S級1班」「S級2班」「A級1班」「A級2班」「A級3班」となっています。
まずは、6つの級班の人数や年収などを見てみましょう。
級班 | 人数 | 年収 | 選手層 |
---|---|---|---|
S級S班 | 9名 | 約9,000万円 | 前年のGP優勝者と賞金ランキング上位者 |
S級1班 | 約210名 | 約2,200万円 | 超一流選手 |
S級2班 | 約450名 | 約1,200万円 | 一流選手 |
A級1班 | 約700名 | 約850万円 | そこそこ強い選手 |
A級2班 | 約600名 | 約700万円 | 普通の選手 |
A級3班 | 約700名 | 約600万円 | 成績下位の選手と新人選手 |
上の表から、級班が高くなればなるほど、人数が減って、年収が上がっていることが分かります。
級班が高くなると、グレードの高いレースに出場できるようになるので、賞金がたくさん稼げるようになるわけです。
競輪選手は、1つでも上の級班になるために、少しでも高い競走得点を獲得しようと全力でレースをしています。

競走得点の見方は?
競走得点の見方は、基本的には「数値が高ければ強い選手、数値が低ければ弱い選手」で合っています。
特に、出走表を見たときに、2名の選手の競走得点に10点以上の差がある場合は、その2名の選手には明らかな実力差があります。
先ほど説明した通り、獲得できる競走得点は中間着から着順が1つ上がるごとに+2点され、中間着から着順が1つ下がるごとに-2点されます。
このことから、平均の競走得点に10点以上の差がある場合は、平均の着順に5着以上の差があるということです。
逆に、競走得点の差が2~4点の場合は、平均の着順が1~2着しか変わらないということなので、実力の差はあまりないと言えます。

その通りなのですが、実際には、同じレースに出走している選手は、他にも同じくらいのグレードのレースに出場していることが多いのです。
S級選手ならG1、G2、G3、F1への出場が多く、A級選手ならF1、F2への出場が多いわけですね。
なので、同じレースに出走している選手同士の競走得点を比べるときは、着順の差と見ることができるのです。

例えば、下の出走表を見てください。
(出典:Kドリームス)
例えば、上の出走表では、9番車の競走得点が「113.53」で3番車の競走得点が「103.50」なので、その差は「10.03」と計算できます。
この場合、9番車と3番車の間には明らかな実力差があると判断できます。
逆に、9番車と3番車には競走得点の差が「0.94」しかないので、実力差はあまりないということですね。
レースの予想をするときは、競走得点を単純に比べるのではなく、「10点以上の差があるかどうか」を1つの基準にしてみてください。
競走得点を見るときの注意点は?
レースの予想をするときに、競走得点を信用しすぎるのも危険です。
なぜなら、競走得点が低くても車券に絡みやすい(3着以内に入りやすい)選手がいるからです。
例えば、2名の選手が中間着100点のレースに10回出走したとして、その着順が、
- 選手A
→1着、1着、2着、3着、3着、7着、7着、9着、9着、9着 - 選手B
→2着、3着、3着、4着、5着、5着、6着、6着、7着、8着
だったとします。
このとき、選手Aの競走得点は98点、選手Bの競走得点は102点になります。
選手Aは車券に絡むことが多いですが、着外になったときの着順が悪いので、平均の競走得点は低くなってしまいます。
逆に、選手Bは車券に絡むことは少ないですが、着外になったときの着順が良いので、平均の競走得点は高くなります。
競走得点だけでは、着順傾向は分からないということですね。

私たち競輪ファンは、3着以内に入りやすい選手の車券を買いたいので、選手Aを見つけることが重要になってきます。
しかし、選手の着順傾向は競走得点だけでは分からず、勝率や2連対率を見なければいけません。
なので、競走得点を絶対視するのではなく、色々な数値のバランスを見ることが大切です。
競輪の競走得点のおさらい
競輪の競走得点について、簡単におさらいすると、
- 選手の強さが簡単に分かる
- 10点以上は明らかな実力差
- 選手の着順傾向までは分からない
の3つがポイントでした。
競走得点は、選手の強さを見るための最も基本的な数値になります。
計算方法は少し複雑ですが、知っておくとその選手がそのレースで何着くらいを獲るのかが予想しやすくなります。
中間着を獲ったときに獲得できる競走得点は出走表で確認できるので、時間があったらチェックしてみると面白いですよ。


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