「競輪の用語ってどれから覚えたらいいの?」
「ズブとかズブズブとかってなに?」
「競輪の用語を一通り全て知りたい!」
という方に向けて、この記事では、超重要な競輪用語9選と50音順の用語集を紹介していきます。
競輪の専門用語は全部で100個以上あり、競輪が初めての方が混乱する原因の1つとなっています。
例えば、「ライン」「バンク」といった基本的な用語がわからないと、レースを見ても何が起こっているのかわかりません。
また、競輪の予想方法について調べていても「ズブ」「ズブズブ」といった専門用語が出てきます。
知らない用語が出てくると、せっかく勝つための勉強をしようと思ってもなかなか進みませんよね。
そこで、この記事ではまず「覚えてないと損する9個の専門用語」を競輪初心者に向けて簡単に説明していきます。
さらに用語について知りたい方は「50音順の用語集」もチェックしてみてください。
全ての用語をマスターすれば、競輪の的中率がアップしていること間違いなしですよ。
【基本中の基本】3個の用語
まずは、競輪において基本中の基本の用語について説明します。
具体的には、
- ライン
- バンク
- 先頭誘導員
の3個です。
この3個を覚えれば「競輪のレースを楽しく観戦できる」ようになります。
「競輪のレースってまだ見たことがない」という方や、「レースを見ていても全く意味が分からない」という方は、一緒に覚えていきましょう。
ライン
ラインとは、選手同士がレース中に一時的に組むチームのことです。
競輪では、レースの序盤~中盤はライン同士が有利な位置をキープするために競い合い、レースの終盤からライン内・ライン外に関係なく選手同士が1着をとるために競い合います。
例えば、9人の選手が出走するレースでは、3人ずつのラインが作られることが多いです。
上のイラストでいうと、
- 黒、オレンジ、青の3人ライン
- 黄、白、ピンクの3人ライン
- 紫、赤、緑の3人ライン
のチーム分かれて、レースで有利なポジションを奪い合っています。
この場合、残り半周くらいまでは同じラインの3人で協力してポジション取りをして、残り半周くらいからはそれぞれの選手が1着をとるためにラストスパートをかけます。
ライン内で先頭を走る選手のことを「先行」、2番目を走る選手のことを「番手」、3番目を走る選手のことを「3番手」と呼びます。
上のイラストで説明すると、「黒、黄、紫の選手が先行」「オレンジ、白、赤の選手が番手」「青、ピンク、緑の選手が3番手」となります。
先行選手は番手や3番手を風圧から守る役割があり、番手や3番手の選手は先行を他のラインの選手から守る役割があります。
ラインの中で役割分担をすることで、少しでも自分のラインが有利なポジションをとろうとしているわけですね。
「ラインによる団体戦」と「選手ごとの個人戦」の両方の要素があることが、競輪のレースを面白くする魅力です。
バンク
バンクとは、競輪場で選手が走るコースのことです。
競輪のレースは、横一列に並んで「よーいドン!」で一斉にスタートした後、バンクを4~6周したらゴールになります。
競輪場によって、バンクの1周の長さは違っていますが、どれも全長約2000m(約2km)です。
具体的には、次の4種類のバンクがあります。
- 333(サンサン)バンク
→1周333mで6周でゴール(松戸など6カ所) - 335(サンサン)バンク
→1周335mで6周でゴール(前橋のみ) - 400(ヨンヒャク)バンク
→1周400mで5周でゴール(小倉など31カ所) - 500(ゴヒャク)バンク
→1周500mで4周でゴール(宇都宮など5カ所)
バンクの長さによって有利な戦術や不利な戦術があり、一般的には「333バンクは先行有利、500バンクは番手有利、400バンクは有利不利なし」と言われています。
333バンクは最後の直線が短いので先行選手が逃げ切りやすく、500バンクは最後の直線が長いので番手選手が差しやすいからです。
ちなみに、「差す」というのは、風の抵抗を受けながら先頭を走ってバテた先行選手を、番手選手がゴール直前で追い抜くことです。
出走表でバンクの長さをチェックすれば、選手ごとに有利不利がわかるので、予想に活かしやすいですよ。
先頭誘導員
先頭誘導員とは、レースの序盤~中盤で先頭を走って、選手達を風の抵抗から守って誘導する係員のことです。
スタートから残り1周半くらいまでは選手と一緒にバンクを走って、残り1周半くらいで審判からの指示によってバンクから退避します。
9人の選手でレースをしているはずなのに、レースの途中までバンクを10人で走っているのは、先頭誘導員がいるからなんですね。
先頭誘導員には、選手を風圧から守るという役割があります。
レース中の競輪選手のスピードは最高で時速70kmにもなり、先頭の選手は物凄い風圧を受けてしまいます。
風圧によって体力が減ってしまった選手は最後まで全力でレースをすることができないので、もし先頭誘導員がいなかったら誰も先頭を走りたくありません。
そこで、競輪では先頭誘導員という制度を導入することで、平等なレースができるようにしたわけです。
-
競輪の先頭誘導員の役割は?【追い抜きのルールやタイミングを解説!】
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【競輪予想に必要不可欠】3個の用語
次に、競輪予想に必要不可欠な基本用語は、
- 車券
- オッズ
- 出走表
の3つです。
この3個を覚えれば「競輪のレースを予想して、当たったときに狙った金額を稼ぐ」ことができるようになります。
「競輪にお金を賭けたことがない」という方や、「ギャンブルとしての競輪を楽しみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください。
車券
「車券」とは、的中したらお金が受け取れる券のことです。
また、車券の番号の組み合わせを「買い目」、車券が的中したときに受け取れるお金のことを「払戻金」と呼びます。
例えば、上の写真は三連単で、買い目が「1-3-5」の車券ですね。
この車券なら、レース結果が「1着1番車、2着3番車、3着5番車」だったときに、払戻金が貰えます。
車券には、
- 三連単(さんれんたん)
- 二車単(にしゃたん)
- 三連複(さんれんぷく)
- 二車複(にしゃふく)
- 二枠単(にわくたん)
- 二枠複(にわくふく)
- ワイド(わいど)
の7種類があります。
基本的には、的中が難しい車券ほど的中したときの払戻金は大きくなり、的中が簡単な車券ほど的中したときの払戻金は小さくなります。
例えば、三連単の的中確率は「0.20%(1/504)」と最も的中が難しいですが、平均払戻金は「34,000円」とかなりの高額です。
逆に、ワイドの的中確率は「8.33%(3/36)」と最も的中が簡単ですが、平均払戻金は「800円」とかなり安くなっています。
なので、競輪初心者は的中が狙いやすいワイドで予想の練習をするのがおすすめです。
オッズ
「オッズ」とは、車券が的中したときに、賭け金の何倍の払戻金が貰えるかを表した数値です。
車券が的中したときの払戻金は「賭けた金額×オッズ」で計算できます。
例えば、先ほどの三連単「1-3-5」のオッズは、上のイラストを見ると「6.4倍」と分かります。
車券は「100円」買っているので、的中したときに「100円×6.4=640円」の払戻金を受け取ることができるわけですね。
オッズは、たくさん売れている(人気のある)買い目ほど低く、あまり売れていない(人気のない)買い目ほど高くなるように計算されます。
また、当然ですが、みんなが当たると思っている車券はたくさん売れます。
つまり「オッズが低い=たくさん売れている(人気がある)=みんなが当たると思っている」という構図が成り立つわけです。
競輪初心者はオッズが低い買い目を見ながら「その買い目がどうして当たると思われているのか」を考えると、予想上達の近道になりますよ。
出走表
「出走表」とは「どのレースにどの選手が出るのか」や「それぞれの選手はどんな成績なのか」をまとめた選手データです。
競輪場には入場ゲートのすぐ近くに出走表置き場があり、無料でもらうことができます。
また、インターネット上の競輪投票サイトでも同じものを見ることができますね。
レースの予想には出走表が絶対に必要なので、必ずチェックするようにしましょう。
出走表には、
- 選手の枠番・車番
- 印
- 登録地・級班・脚質
- 競走得点
- 決まり手
- B・H・S
- 勝率・2連率・3連率
- 直近成績
などが書かれています。
この中でも特に重要なのが「競走得点」です。
競走得点は、その選手の直近4ヵ月の成績をもとに付けられた数値で、簡単に言えば「選手の強さ」を表しています。
出走表に書かれている選手のデータの中でも、最も分かりやすい数値なんですね。
なので、競輪初心者が予想するときは、競走得点を重視して「どのラインが強そうか」や「ライン内で強い選手は誰か」を考えるのがおすすめです。
【競輪予想がうまくなる】3個の用語
「超基本の3語」「競輪予想に使える3語」を説明したし、最後に「競輪予想をさらに上達する3語」を説明します。
具体的には、
- B・H・S
- 決まり手
- ズブ・ズブズブ
の3個を覚えましょう。
この3個をマスターすれば「今までよりも予想の的中率がアップする」こと間違いなしですよ。
「車券は何回か買ったけどなかなか当たらない」という方や「データの種類が多過ぎてどの指標が重要か分からない」という方は、ぜひチェックしてみてください。
B・H・S
B・H・Sとは、
- B(バック回数)
→残り半周の時点で先頭を走っていた回数 - H(ホーム回数)
→残り1周の時点で先頭を走っていた回数 - S(スタート回数)
→スタート後に先頭誘導員の後ろに付いた回数
を表した数値です。
この中でも、予想に重要なのは「B(バック回数)」です。
なぜなら、Bを見ることで「その選手がどのくらい先行選手として強いのか」を知ることができるからです。
弟の言う通りで、競輪には、「Bをとった選手のラインから80%以上の確率で1着をとる選手がでる」というデータがあります。
例えば、あるレースで先行1番車、番手2番車、3番手3番車のラインがあったとします。
このレースで、1番車が残り半周の時点で先頭を走っていた(Bをとった)としたら、レースの1着は1番車、2番車、3番車のどれかになることが多いということです。
最後の半周時点で一番有利な先頭ポジションを取っていたラインからは、そのまま1着が出やすいということですね。
ラインの先行選手の強さを比較するときは、競走得点だけでなく過去のB回数も見ることで、より正確に強さを比較できます。
決まり手
決まり手とは、その選手が過去にどのような展開で1着(あるいは2着)をとったのかを表した言葉です。
具体的には、
- 逃げ(にげ)
→最終周回開始時にホームストレッチラインを最初に通過して、そのまま1着か2着になったときの決まり手 - 捲り(まくり)
→最終周回開始時にホームストレッチラインを最初に通過した他の選手を最終4コーナーまでに抜いて、1着か2着になったときの決まり手 - 差し(さし)
→最終4コーナー通過後の直線で前を走る選手を抜いて、1着か2着になったときの決まり手 - マーク
→番手選手がマークしていた先行選手を抜けずに、2着になったときの決まり手
の4種類があります。
出走表を見るときに、先行選手の決まり手をチェックすることで、レース終盤の展開の予想をすることができます。
例えば、あるレースでラインが3つあって、それぞれの先行選手が「選手A:逃げが多い」「選手B:捲りが多い」「選手C:捲りが多い」という特徴があったとします。
このレースの残り1周~半周くらいの展開は、選手Aのラインが先頭を走り、選手Bのラインと選手Cのラインが後ろから捲りを狙うというものになりやすいです。
捲りを狙っているライン同士の潰し合いが起こる可能性が高いので、選手Aのラインが有利ということがわかりますね。
ズブ・ズブズブ
「ズブ・ズブズブ」とは、レースの結果を表した言葉です。
競輪のレース結果は、大きく分類して「スジ」と「スジ違い」の2つに分かれます。
スジはライン内の選手で1着、2着をとることで、スジ違いはラインが違う選手が1着、2着をとることです。
次に、スジのなかで、1着、2着を誰がとったかによって「スジ」「ズブ」「ズブズブ」「交わしの交わし」の4つに分けられます。
それぞれの意味は、
- スジ :1着先行-2着番手
- ズブ :1着番手-2着先行
- ズブズブ :1着番手-2着3番手
- 交わしの交わし:1着3番手-2着番手
となります。
スジには「ライン内で決着する」と「1着先行-2着番手で決着」の2つの意味があるから、慣れないうちは少しややこしいんですよね。
スジ、ズブ、ズブズブ、交わしの交わしというレース結果がそれぞれどういう頻度でおこるかを知ることで、予想するときのヒントになります。
例えば、あるレースで「先行1番車-番手2番車-3番手3番車」のラインがあったとします。
このときのレース結果ごとの呼び方と、どのくらい出やすいのかを下の表にまとめました。
レース結果 | 呼び方 | 割合 |
---|---|---|
1番車-2番車 | スジ | 21.1% |
2番車-1番車 | ズブ | 16.1 |
2番車-3番車 | ズブズブ | 7.6% |
3番車-2番車 | 交わしの交わし | 2.7% |
1番車-3番車 | 特になし | 2.8% |
3番車-1番車 | 特になし | 1.3% |
4人ラインなどの ライン内で1着、2着 | 特になし | 2.6% |
ラインが違う選手で 1着、2着 | スジ違い | 45.8% |
※集計:2006~2007年の39891レース(参考)
上の表から、競輪ではレース全体の「約55%」がライン内の選手で1着2着が決まり、残りの「約45%」がラインの違う選手で1着2着が決まることがわかります。
車券を買うときは「スジ違いよりもスジ決着をメインで買う」「スジ決着の中でも、特に先行-番手で1着2着が決まるケースが多い」というデータも、予想の参考になりますね。
ズブは中穴、ズブズブは大穴になりやすいです。
大きいオッズを狙うなら、そういう車券の買い方もありですね。
-
競輪のスジとは?【ズブ・ズブズブ・交わしの交わしの違いも解説!】
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あとは実際に競輪を見ながら実戦経験を積んでいくことが大切ですね。
他にも競輪用語は多いので、続きは50音順で簡潔に紹介していきます。
50音順の用語まとめ
ここからは、競輪用語を50音順で紹介していきます。
あ行
オッズ
車券が的中したときに払戻金がいくら貰えるのかを表した倍率。
か行
交わしの交わし
ラインが選手A、選手B、選手Cで形成されているときに、レースが「C-B」の着順で決着すること。
決まり手
1着および2着に入った選手が、どのような戦法でその着順を獲ったのかを表した言葉。「逃げ」「捲り」「差し」「マーク」の4種類が存在する。
競走得点
直近4ヵ月の成績で計算された選手の強さの参考になる数値。
クラス
選手の成績ごとに割り振られるグループ。「S級S班」「S級1班」「S級2班」「A級1班」「A級2班」「A級3班」の6つのクラスが存在する。
グレード
レースの格式を表した言葉。「GP」「G1」「G2」「G3」「F1」「F2」の6つのグレードが存在する。
さ行
差し
最終4コーナー通過後の直線で前を走る選手を抜いて、1着か2着になったときの決まり手。
車番
選手ごとに割り振られたそのレース限定の番号。
三車単(3車単)
車番で着順も含めて1着、2着、3着を的中させる車券。
三連複(3連複)
車番で着順に関わらず1着~3着に入る3車を的中させる車券。
勝率
その選手が直近4ヵ月で1着に入った確率。
スジ
ラインが選手A、選手B、選手Cで形成されているときに、レースが「A-B」の着順で決着すること。
スジ違い
ラインの違う選手同士でレースが決着すること。
ズブ
ラインが選手A、選手B、選手Cで形成されているときに、レースが「B-A」の着順で決着すること。
ズブズブ
ラインが選手A、選手B、選手Cで形成されているときに、レースが「B-C」の着順で決着すること。
た行
代謝
審査期ごとに成績下位者数名の選手登録を削除すること。
単勝
1着を的中させる賭け方。競馬や競艇にはあるが、競輪にはない。
な行
流し(ながし)
1艇もしくは2艇を軸にして、手広く車券を買う方法。
逃げ
最終周回開始時にホームストレッチラインを最初に通過した選手が、1着か2着になったときの決まり手。
二車単(2車単)
車番で着順も含めて1着、2着を的中させる車券。
二車複(2車複)
車番で着順に関わらず1着、2着に入る2車を的中させる車券。
二枠単(2枠単)
枠番で着順も含めて1着、2着を的中させる車券。
二枠複(2枠複)
枠番で着順に関わらず1着、2着に入る3車を的中させる車券。
は行
配当金
買った車券が的中したときに貰えるお金。払戻金とも呼ばれる。
払戻金
買った車券が的中したときに貰えるお金。配当金とも呼ばれる。
バンク
競輪場のコースのこと。1周の長さには「333.3m」「335m」「400m」「500m」の4種類がある。
番組(番組表)
どの選手が第何レースに出走するかを決めたもの。JKAの番組構成員が作成する。
フォーメーション
複数の軸で流しをする車券の買い方。
フレーム
選手が乗る自転車の枠の部分。職人が選手に合わせて1つずつ作っている。
ボックス
選んだ複数の艇で1着、2着、3着の組み合わせを全て買う車券の買い方。
ま行
マーク
追い込み選手がマークしていた先行選手を抜けずに、2着になったときの決まり手。
捲り(まくり)
最終周回開始時にホームストレッチラインを最初に通過した選手を、最終4コーナーまでに抜いて、1着か2着になったときの決まり手。
もがく(もがき)
先行選手が全力疾走すること。
や行
ら行
ライン(並び)
選手がレース中に一時的に組むチームのようなもの。同じ地区(あるいは隣接地区)の選手同士で組まれることが多い。
わ行
ワイド
車番で着順に関わらず1着~3着に入る2車を的中させる車券。
枠番
車番に応じて、選手ごとに割り振られたそのレース限定の番号。
【競輪の用語】まとめ
競輪の用語について、もう一度まとめると、
- 覚えてないと損する9個の用語を覚える
- 時間があるときに残りの用語も覚える
- 用語を覚えて的中率アップ
の3つがポイントです。
競輪の用語はたくさんありますが、覚えれば予想に役立つこと間違いなしです。
時間のあるときに少しずつ覚えて、的中率アップに活かしてみてください。
知識と知識が繋がって、理解が深まるのでおすすめですよ。
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