この記事では、競輪のS級S班について、以下の疑問に回答していきます。
「S級S班ってなに?」
「どうやったらなれるの?」
「2023年のS級S班は誰?」
競輪のS級S班は、選手を成績別に分けた級班のなかで、最も成績の良い選手が所属する級班です。
S級S班になる条件は競輪グランプリ出場で、約2,200名の選手のうち9名しかなれません。
2023年のS級S班には「古性優作」選手、「脇本雄太」選手、「新田祐大」選手などが所属します。
S級選手のなかでも特に強い選手なので、選手名を覚えておくのがおすすめですね。
ここからは競輪のS級S班について分かりやすく解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。


競輪のS級S班とは?
競輪のS級S班とは、選手を成績別に分けた級班のうち、最も成績の良い選手が所属する級班です。
S級S班になる条件は競輪グランプリ出場で、約2,200名の選手のうち9名しかなれません。
競輪グランプリは例年12月末に開催されるので、S級S班の選手は毎年入れ替わることになります。
また、S級S班の選手には、G1・G2への優先出場権などの特典が与えられますね。
ここからは、S級S班についての基礎知識を解説していくので、初心者の方は覚えておきましょう。
S級S班の基礎知識
- 9名だけが所属できる最上級の級班
- 競輪グランプリ出場者が所属
- 所属する選手は1年ごとに変わる
- 年収は5,000万円以上
- 所属する選手には特典がある

9名だけが所属できる最上級の級班
競輪のS級S班は、選手を成績別に分けた級班のうち、最も成績の良い選手が所属する級班です。
級班とは、選手をSS、S1、S2、A1、A2、A3の6つにグループ分けしたものですね。
この記事を書いている2023年1月5日時点では、級班ごとの人数はこのようになっていました。
- S級S班・・・9名
- S級1班・・・210名
- S級2班・・・454名
- A級1班・・・507名
- A級2班・・・522名
- A級3班・・・490名
級班ごとの人数を見ると、S級S班の選手は本当に少なく、所属するのが難しいとわかるでしょう。
また、男子選手の人数は2,192名なので、S級S班は上位0.41%の選手になります。
このことからも、S級S班の選手が他の選手よりも、圧倒的に実力上位であることがわかりますね。

競輪グランプリ出場者が所属
競輪のS級S班になる条件は、例年12月末に開催される競輪グランプリに出場することです。
そのため、2023年のS級S班の選手は2022年の競輪グランプリ出場者ですね。
また、競輪グランプリに出場する条件は、G1優勝か獲得賞金ランキング上位に入ることです。
つまり、S級S班になる条件も、このどちらかの条件を満たすことになります。
どちらも厳しい条件なので、S級S班に所属する9名の選手は超一流選手と言えるでしょう。

所属する選手は1年ごとに変わる
競輪のS級S班は、当年の競輪グランプリから翌年の競輪グランプリ直前まで適用されます。
競輪グランプリは例年12月末に行われるので、適用期間は約1年間になりますね。
一方、S級S班以外の級班は半年に1回の頻度で更新されるので、適用期間は半年間になります。
級班は過去の成績をもとに決められるので、選手の直近の調子が反映されにくいです。
S級S班の場合、直近の調子がさらに反映されにくいので、予想するときは注意しましょう。

年収は5,000万円以上
出典:競輪JP
S級S班の選手の年収は、年によって変わりますが、最近では5,000万円以上となっています。
例えば、2023年のS級S班の選手について、2022年の獲得賞金額をまとめました。
- 「脇本雄太」選手・・・305,842,300円
- 「古性優作」選手・・・164,437,300円
- 「松浦悠士」選手・・・161,873,900円
- 「郡司浩平」選手・・・128,883,600円
- 「佐藤慎太郎」選手・・・112,247,200円
- 「守澤太志」選手・・・106,545,900円
- 「平原康多」選手・・・103,859,000円
- 「新田祐大」選手・・・90,791,000円
- 「新山響平」選手・・・83,082,000円
選手ごとの獲得賞金額を見ると、最も低いのは「新山響平」選手の約8,300万円だとわかります。
逆に、獲得賞金額が最も高いのは「脇本雄太」選手の約3億500万円ですね。
このように、S級S班の選手のなかでも、選手の活躍ごとに年収は違うので覚えておきましょう。

所属する選手には特典がある
出典:競輪JP
S級S班に所属している選手は、G1・G2の出場条件を無視して、優先出場することができます。
さらに、S級レースに出場するときに、特別選抜予選にシード出場できるますね。
これによって、S級S班の選手はG1・G2やS級レースで活躍しやすく、翌年もS級S班になりやすいです。
また、S級S班の選手は、黒い生地に赤ラインの専用ユニフォームを着用できます。
他のS級選手とは違うデザインなので、S級レースを観戦するときはチェックしてみてください。

競輪のS級S班になる条件は?
競輪のS級S班になる条件は、例年12月末に開催される競輪グランプリに出場することです。
例えば、2023年のS級S班になるには、2022年の競輪グランプリ出場が条件ですね。
また、競輪グランプリに出場する条件は、G1優勝か獲得賞金ランキング上位に入ることです。
つまり、S級S班になる条件も、このどちらかの条件を満たすことになります。
ここからは、S級S班になる条件について解説するので、初心者の方は覚えておきましょう。

G1を優勝する
S級S班になる条件の1つ目は、G1を優勝して、競輪グランプリに出場することです。
具体的に、対象となるG1はこのようになっています(カッコ内は開催時期)。
- 全日本選抜競輪(2月中旬)
- 日本選手権競輪(4月中旬)
- 高松宮記念杯競輪(6月中旬)
- オールスター競輪(8月中旬)
- 寛仁親王牌(10月中旬)
- 競輪祭(11月下旬)
G1に出場するためには、レースごとの厳しい出場条件を満たさなければいけません。
例えば、日本選手権には、獲得賞金の上位者が主に出場します。
ただし、S級S班の選手は出場条件を無視して、優先出場できるので有利ですね。
また、G1は他のレースと比べて出場選手のレベルもかなり高いです。
そのG1を優勝した選手ともなれば、翌年のS級S班に所属するのも納得できるでしょう。

獲得賞金ランキング上位に入る
出典:競輪JP
S級S班になる条件の2つ目は、獲得賞金上位者になって、競輪グランプリに出場することです。
競輪グランプリの出場選手を決めるときは、はじめにG1優勝者の出場が確定します。
その後、出場選手が9名になるように、G1優勝者を除いた獲得賞金上位者が出場権を得ますね。
獲得賞金のボーダーは毎年変わりますが、例年5,000~8,000万円になっています。
G2優勝者やS級レースを安定して勝っていた選手は、この条件でS級S班になることが多いです。

選考委員会に認められる
S級S班になる条件の3つ目は、選考委員会に認められて、競輪グランプリに出場することです。
具体的には、オリンピックや世界選手権で活躍した選手が出場することがあります。
例えば、2008年に「永井清史」選手が北京オリンピックで銅メダルをとって出場していますね。
ただし、この条件で出場した選手は、これまでの38開催で5名しかいませんでした。
ほとんど起こらないので、S級S班はG1優勝か獲得賞金上位に入ることが条件と言えるでしょう。

2023年のS級S班の選手は?
2023年のS級S班の選手は、2022年の競輪グランプリに出場した選手になります。
具体的に、2023年のS級S班の選手をまとめました。
- 「古性優作」選手(大阪)
- 「脇本雄太」選手(福井)
- 「新田祐大」選手(福島)
- 「新山響平」選手(青森)
- 「松浦悠士」選手(広島)
- 「郡司浩平」選手(神奈川)
- 「守澤太志」選手(秋田)
- 「佐藤慎太郎」選手(福島)
- 「平原康多」選手(埼玉)
この9名の選手は、2022年12月28日~2023年12月27日の約1年間、S級S班に所属します。
2023年の競輪界を引っ張っる選手として、選手名を覚えておきましょう。
また、2023年のS級S班には、北日本の選手が4名も所属しています(新田・新山・守澤・佐藤)。
同じ地区の選手が多いと、ラインを組みやすいので活躍しやすくなりますね。
S級S班の選手はG1・G2に優先出場できるので、2023年のG1・G2では北日本地区に注目です。

「古性優作」選手(大阪)
出典:競輪JP
「古性優作(こしょうゆうさく)」選手は、大阪府の捲りを得意としている自力選手です。
2021年の競輪グランプリ優勝者であり、2022年は全レース1番車で出走しました。
2022年は全日本選抜競輪と高松宮記念杯競輪を優勝して、競輪グランプリに出場しています。
さらに、2022年は残り4つのG1のうち、競輪祭以外の3つで決勝進出していますね。
2021年に引き続き、2022年も好調を維持しているので、2023年の活躍にも期待したいです。

「脇本雄太」選手(福井)
出典:競輪JP
「脇本雄太(わきもとゆうた)」選手は、福井県の逃げ・捲りを得意としている自力選手です。
2021年は東京オリンピックがあったため、競輪にはあまり出場していませんでした。
しかし、2022年からは競輪に専念しており、日本選手権競輪とオールスター競輪を優勝しています。
また、2022年5月からS級レースで21連続1着をとって、過去最高記録を更新しました。
2022年の勝率は90.4%もあり、S級S班のなかでもさらに実力が抜けていると言えるでしょう。

「新田祐大」選手(福島)
出典:競輪JP
「新田祐大(にったゆうだい)」選手は、福島県の捲りを得意としている自力選手です。
2022年はG1寛仁親王牌を優勝して、競輪グランプリへの出場を決めました。
新田選手はこの優勝で現行のG1を全て優勝したことになり、グランドスラムを達成しています。
グランドスラム達成者が出たのは23年ぶりで、新田選手は史上4人目になりますね。
競輪グランプリはまだ優勝していないので、次の目標は競輪グランプリ優勝になりそうです。

「新山響平」選手(青森)
出典:新山響平
「新山響平(しんざんきょうへい)」選手は、青森県の逃げ・捲りを得意とする自力選手です。
2022年はG1競輪祭を優勝して、競輪グランプリへの出場を決めました。
競輪祭では「新田祐大」選手の番手から二段駆けして、2着と2車身差で1着をとりましたね。
新山選手はこの優勝が初めてのG1優勝で、初めてのS級S班への昇格になります。
2022年の競輪グランプリでは大差で負けてしまったので、今後の成長に期待したいところです。

「松浦悠士」選手(広島)
出典:競輪JP
「松浦悠士(まつうらゆうじ)」選手は、広島県の差しを得意としている追込み選手です。
2022年はG2サマーナイトフェスティバルを優勝して、獲得賞金2位になりました。
このレースでは、徳島県の「犬伏湧也」選手の番手から、差しを決めて1着をとりましたね。
一方、よく連携している「清水裕友」選手は、惜しくもS級S班になれませんでした。
松浦選手は2023年のG1に優先出場できますが、ラインを組むのに苦労するかもしれません。

「郡司浩平」選手(神奈川)
出典:競輪JP
「郡司浩平(ぐんじこうへい)」選手は、神奈川県の捲りを得意としている自力選手です。
2022年はG2共同通信社杯を優勝して、獲得賞金ランキング4位になりました。
このレースでは、残り1周半からスピードを上げて、ゴールまで逃げ切って1着をとりましたね。
事故はあったものの、先行でも勝負できたのは自信になったとコメントしています。
2022年の競輪グランプリでは単騎で3着をとっていて、レース運びの上手さも感じられますね。

「守澤太志」選手(秋田)
出典:競輪JP
「守澤太志(もりさわふとし)」選手は、秋田県の差しを得意としている追込み選手です。
2022年は獲得賞金ランキング5位で、競輪グランプリへの出場を決めました。
守澤選手の特徴は、G2以上の優勝経験なしで、2021年から3年連続でS級S班になったことです。
おそらく、守澤選手は大敗しにくく、安定して2~7着をとれる選手なのでしょう。
守澤選手を狙うときは、無理に1着を狙うのではなく、2・3着を考えるのがおすすめですね。

「佐藤慎太郎」選手(福島)
出典:競輪JP
「佐藤慎太郎(さとうしんたろう)」選手は、福島県の差し・マークを得意とする選手です。
2022年は獲得賞金ランキング6位で、競輪グランプリへの出場を決めました。
佐藤選手は2023年1月5日時点で46歳で、2023年のS級S班のなかでは最年長となっています。
競輪選手は年を取ると活躍しにくくなるのですが、佐藤選手はまだまだ元気ですね。
netkeirinでコラムを執筆しているので、佐藤選手について知りたい方は読んでみてください。

「平原康多」選手(埼玉)
出典:競輪JP
「平原康多(ひらはらこうた)」選手は、埼玉県の差しを得意としている追込み選手です。
2022年は獲得賞金ランキング7位で、競輪グランプリへの出場を決めました。
平原選手は2014年から10年連続でS級S班に所属していて、S級S班の継続年数が最も長いです。
これが可能なのは、G3以上のレースで安定して車券に絡んでいるからでしょう。
平原選手が出走するレースでは、2023年も積極的に車券に絡めていくのがおすすめですね。

歴代のS級S班の選手は?
歴代のS級S班の選手は「競輪の歴代S級S班選手-Wikipedia」にまとめられています。
ここからは、そのうち直近3年間のS級S班の選手を紹介しますね。
また、競輪のS級S班は2008年に制度化されて、2012年に現在の形式になりました。
2012年以降にS級S班になった回数が多いのは、この5名となっています。
- 「平原康多」選手(10回)
- 「新田祐大」選手(8回)
- 「浅井康太」選手(8回)
- 「村上義弘」選手(7回)
- 「武田豊樹」選手(7回)
この5名のうち、2023年もS級S班になったのは「平原康多」選手と「新田祐大」選手です。
平原選手は2014年から10年連続でS級S班で、安定した強さと言えるでしょう。
また、新田選手も2022年から競輪に専念しているので、2023年の活躍に期待できます。

S級S班の選手【2022年】
選手名 | 地区 | 府県 | 選出理由 |
---|---|---|---|
郡司浩平 | 南関東 | 神奈川 | 「全日本選抜競輪」優勝 |
松浦悠士 | 中国 | 広島 | 「日本選手権競輪」優勝 |
宿口陽一 | 関東 | 埼玉 | 「高松宮記念杯」優勝 |
古性優作 | 近畿 | 大阪 | 「オールスター競輪」優勝 |
平原康多 | 関東 | 埼玉 | 「寛仁親王牌」優勝 |
吉田拓矢 | 関東 | 茨城 | 「競輪祭」優勝 |
清水裕友 | 中国 | 山口 | 獲得賞金ランキング6位 |
佐藤慎太郎 | 北日本 | 福島 | 獲得賞金ランキング7位 |
守澤太志 | 北日本 | 秋田 | 獲得賞金ランキング9位 |
敬称略
S級S班の選手【2021年】
選手名 | 地区 | 府県 | 選出理由 |
---|---|---|---|
脇本雄太 | 近畿 | 福井 | 「高松宮記念杯」優勝 「寛仁親王牌」優勝 |
清水裕友 | 中国 | 山口 | 「全日本選抜競輪」優勝 |
松浦悠士 | 中国 | 広島 | 「オールスター競輪」優勝 |
郡司浩平 | 南関東 | 神奈川 | 「競輪祭」優勝 |
平原康多 | 関東 | 埼玉 | 獲得賞金ランキング4位 |
佐藤慎太郎 | 北日本 | 福島 | 獲得賞金ランキング6位 |
和田健太郎 | 南関東 | 千葉 | 獲得賞金ランキング7位 |
新田祐大 | 北日本 | 福島 | 獲得賞金ランキング8位 |
守澤太志 | 北日本 | 秋田 | 獲得賞金ランキング9位 |
敬称略
S級S班の選手【2020年】
選手名 | 地区 | 府県 | 選出理由 |
---|---|---|---|
中川誠一郎 | 九州 | 熊本 | 「全日本選抜競輪」優勝 「高松宮記念杯」優勝 |
脇本雄太 | 近畿 | 福井 | 「日本選手権競輪」優勝 |
新田祐大 | 北日本 | 福島 | 「オールスター競輪」優勝 |
村上博幸 | 近畿 | 京都 | 「寛仁親王牌」優勝 |
松浦悠士 | 中国 | 広島 | 「競輪祭」優勝 |
清水裕友 | 中国 | 山口 | 獲得賞金ランキング3位 |
佐藤慎太郎 | 北日本 | 福島 | 獲得賞金ランキング5位 |
平原康多 | 関東 | 埼玉 | 獲得賞金ランキング7位 |
郡司浩平 | 南関東 | 神奈川 | 獲得賞金ランキング8位 |
敬称略

競輪のS級S班|よくある質問
ここからは、競輪のS級S班についてのよくある質問に回答していきます。
競輪のS級S班の最年少は?
2023年のS級S班の最年少は、29歳の「新山響平」選手です。
また、歴代では、2019年に21歳でS級S班になった「深谷知広」選手が最年少ですね。
競輪のS級S班の人数は?
競輪のS級S班の人数は、2012年から9名になっています。
ちなみに、2008~2011年の4年間は、S級S班の選手が18名になっていました。
競輪のSSイレブンとは?
競輪のSSイレブンとは、2011年の競輪グランプリに出場した選手による一般財団法人です。
東日本大震災の被災地支援競走を開催したりしたそうですね。
競輪のS級S班の車券を買うには?
競輪のS級S班の車券を買うには、G1・G2のネット投票がおすすめです。
具体的な狙い目も知りたい方は、競輪予想サイトを活用するのも一つの手ですね。


競輪のS級S班|まとめ
競輪のS級S班について、この記事のポイントをおさらいします。
- 9名だけが所属できる最上級の級班
- 競輪グランプリ出場者が所属
- S級S班はG1・G2に優先出場できる
- 適用期間は約1年間
- 歴代最多は「平原康多」選手の10回
競輪のS級S班は、その年の競輪選手の代表であり、競輪界を引っ張っていく選手です。
G1・G2の優先出場できるので、ビッグレースで見かける機会も多いでしょう。
他の選手よりも車券に絡みやすいので、S級S班の選手は名前を覚えておくのがおすすめです。
また、2022年の競輪グランプリは「脇本雄太」選手が優勝しました。
脇本選手は他のS級S班の選手と比べても強い選手なので、2023年の活躍にも注目ですね。


参考サイト
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