この記事では、競輪の失格について、
「失格になるルールや基準は?」
「失格になった選手はどうなる?」
「失格を予想に活かすコツはある?」
といった疑問に回答していきます。
競輪では、選手がルール違反をすると、失格の処分が科せられることがあります。
例えば、内側追抜き、押圧、押し上げ、斜行、内圏線踏切りなどが失格になるルール違反です。
失格になった選手には、着位のはく奪や違反点の加算などのペナルティが科せられます。
また、失格になった選手の車券については、残念ながら返還されないので覚えておきましょう。
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失格の仕組みについて理解していれば、それをレース予想に活かせるようになります。
例えば、違反点の累計が一定以上になった選手には、普通より厳しいペナルティが科せられます。
そのため、違反点が多い選手は無理なレースをしにくく、活躍しにくいと考えられますね。
ルールや基準と予想のコツをイラスト付きで解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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競輪で失格になるルールや基準
競輪では、選手がルール違反をすると、失格の処分が科せられることがあります。
失格になりやすいルールや基準について、ルールの名前と詳細を一覧にまとめました。
内圏線や外帯線といった用語は、バンクに書かれている線の名前です。
どの線のことかわからない場合は「バンクのイラスト」を参考にしてみてください。
失格になるルールや基準
- 敢闘の義務・・・選手は、暴走、過度の牽制等をしてはならず、勝利を得る意志をもって全力を尽くして競走しなければならない。
- 過失走行の禁止・・・選手は、過失走行により走行の安全に支障を及ぼすことがないよう、細心の注意を払って競走しなければならない。
- 内側追抜き等の禁止・・・選手は、外帯線の内側を前走する選手に対し、内側への差込み及び内側からの追抜きを行ってはならない。
- 外帯線内進入の禁止・・・選手は、内圏線と外帯線の間を走行する選手と並走する場合は、外帯線の内側に入り、又は他の選手を外帯線の内側に入らせてはならない。
- 押圧、押し上げ、押し合いの禁止・・・選手は、身体又は自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならない。
- 斜行、蛇行の禁止・・・選手は、斜行又は蛇行して、他の選手の競走を妨害し、又は自らの走行の安全に支障を及ぼしてはならない。
- 中割りの禁止・・・選手は、先行して並走する選手との間に走行の安全に必要な相当の間隔を保持できる場合でなければ、その間に差し込み、又はその間を通って追い抜いてはならない。
- 内圏線踏切りの禁止・・・選手は、内圏線の内側に入って走行してはならない。
- イエロー・ライン踏切りの禁止・・・先頭走者は、決められた位置(※1)から最終周回バックストレッチラインの間において、イエローラインの外側を走行してはならない。
- 先頭員早期追抜きの禁止・・・選手は、先頭員が決められた位置(※2)に到達するまでは、先頭員を追い抜いてはならない。
- 先頭員に対する妨害等の禁止・・・競走選手は、誘導中又は退避中の先頭員に対して、妨害行為又は危険性の高い行為を行ってはならない。
- 周回誤認・・・選手が周回数を誤認したことによって、自己の全能力を十分に発揮できなかったと認められる場合、その選手は失格とする。
参考:KEIRIN.JP
(※1)400バンクまたは500バンクでは最終周回前々回のバックストレッチライン、333バンクでは最終周回前々回に入るホームストレッチライン
(※2)400バンクでは最終周回前回に入るホームストレッチライン、500バンクでは最終周回前回のバックストレッチライン、333バンクでは最終周回前々回のバックストレッチライン
レース中に上記のルールに違反した選手には、基本的には失格の処分が科せられます。
ただし、やむを得ない理由がある場合は、選手責任外として失格にならないこともありますね。
例えば、落車した選手を避けるために禁止された区域を走っても、失格にはなりにくいです。
ここからは、上記のルールのなかでも、違反の代表例をイラスト付きで解説していきます。
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内側追抜き等の禁止
選手は、外帯線の内側を前走する選手に対し、内側からの追抜きを行ってはいけません。
この影響でその選手が落車したり、他の選手を落車させたりすると、失格になります。
また、実際に追い抜いてしまった場合も、その選手は失格になってしまいますね。
ただし、前走する選手が失速したとき、それを避けるために追い抜いても失格にはなりません。
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押圧、押し上げ、押し合いの禁止
選手は、他の選手を内側に押し込んだり、外側に押し上げたりしてはいけません。
この影響でその選手が落車したり、他の選手を落車させたりすると、失格になります。
また、他の選手の走行を大幅に邪魔したりしても失格になる可能性がありますね。
ただし、追込み選手が他ラインの選手をけん制するのは、競輪の醍醐味でもあります。
そのため、どの程度から違反になるのかは、競輪場ごとの審判によっても違うようです。
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斜行、蛇行の禁止
選手は、斜行や蛇行をすることによって、他の選手の競走を妨害してはいけません。
この影響でその選手が落車したり、他の選手を落車させたりすると、失格になります。
また、他の選手の走行を大幅に邪魔したりしても失格になる可能性がありますね。
ただし、衝突や接触が他の選手の妨害行為によるものなら、失格にならないこともあります。
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内圏線踏切りの禁止
選手は、バンクの内圏線の内側に入って、一定時間以上は走行してはいけません。
例えば、最終周回のバックストレッチライン後は、約4秒以上走行すると失格になります。
また、ゴール直前に内圏線の内側に入って外側の選手を抜いても失格になりますね。
逆に、内圏線の内側に一瞬入ってしまっても、すぐに外側に戻れば失格にはなりません。
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競輪は失格になるとどうなる?選手へのペナルティは?
競輪では、失格になった選手がいると、その選手を除いて着順が付けられます。
例えば、1着の選手が失格になった場合、2着の選手が繰り上がりで1着になります。
このとき、失格になった選手の車券を買っていても、車券代は返還されません。
また、レースで失格になった選手には、下の一覧にまとめたペナルティが科せられます。
選手へのペナルティ
- レースの着位と賞金がはく奪される
- 翌日以降のレースに出場できなくなる
- 違反点が加算される
- 失格点が加算される
- あっせん停止になることがある
- あっせんしない処置を受けることがある
- 特別指導訓練に行かなければならないことがある
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レースの着位と賞金がはく奪される
失格のペナルティの1つ目は、レースの着位と賞金がはく奪されることです。
つまり、1着をとったとしても、失格になったら意味がないわけですね。
そのレースの着順は、失格になった選手を除いて繰り上がりで決定します。
また、本来なら、選手はレース後に着位に応じた賞金をもらえます。
しかし、失格になった選手は、着位がないので最下位の賞金すら受け取れません。
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翌日以降のレースに出場できなくなる
失格のペナルティの2つ目は、その開催の翌日以降のレースに出場できないことです。
例えば、3日開催の初日に失格になると、2・3日目のレースには出場できません。
レースに行ったのにすぐに帰らなければいけないのは、選手としても無駄足ですね。
また、この影響で選手が足りなくなった場合、補充選手があっせんされます。
補充選手は、その府県の選手や近くの地域の選手が優先してあっせんされるようです。
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違反点が加算される
失格のペナルティの3つ目は、失格になった選手に違反点30点が加算されることです。
違反点とは、ルール違反をした選手へのペナルティを決めるために使用される点数ですね。
失格以外でも、走行注意(走注)で2点、重大走行注意(重注)で10点が加算されます。
走注や重注は、失格にはならない程度のルール違反をした選手へのペナルティのことです。
違反点の累計が一定以上になった選手には、普通より厳しいペナルティが科せられます。
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失格点が加算される
失格のペナルティの4つ目は、失格になった選手に失格点が加算されることです。
失格点とは、選手の級班を決めるときに使用される点数ですね。
競輪では、半年間の評価点をもとに、翌年の半年間の級班が決められます。
評価点は「平均競走得点-失格点」、失格点は「失格回数×3点」で計算されます。
つまり、失格回数が多い選手は、上位の級班になりにくいわけですね。
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あっせん停止になることがある
失格になった選手は、1年以内のあっせん停止の処分を受けることがあります。
あっせん停止とは、その選手がレースに呼ばれなくなるという意味です。
選手はレースの賞金で稼いでいるので、その間は無収入になってしまいます。
ただし、失格になった選手が必ずあっせん停止になるわけではありません。
あっせん停止になるのは、著しく他の選手の競走を妨害したときなどのようですね。
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あっせんしない処置を受けることがある
違反点の累計が直近4ヵ月間で一定以上になった選手は、あっせんをしない処置を受けます。
あっせんをしない期間は、違反点の累計が120点で1ヵ月間、150点で2ヵ月間、180点で3ヵ月間です。
あっせん停止との違いは、条件を満たすと必ずペナルティが発生することですね。
また、あっせん停止と同じように、1回の失格でもあっせんをしない処置を受けることもあります。
その場合、違反点の累計によるあっせんをしない期間が短くなる場合もあるみたいです。
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特別指導訓練に行かなければならないことがある
違反点の累計が一定期間に90点以上になった選手は、特別指導訓練に行かなければいけません。
特別指導訓練とは、サイクルスポーツセンターで行われる4泊5日の訓練です。
訓練の受講料は選手の自腹となっているため、選手としては受けたくない訓練ですね。
違反点の集計は、上期(1~4月)、中期(5~8月)、下期(9~12月)に分けて行われます。
あっせんをしない処置と違って、直近4ヵ月間ではなく、決められた4ヵ月間で集計されるわけですね。
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競輪の失格を予想に活かすには?
失格の仕組みについて理解していれば、それをレース予想に活かせるようになります。
具体的には、予想するときにこの2つのポイントに気を付けてみてください。
失格を予想に活かす方法
- 違反点の累計が多い選手は評価を下げる
- 違反点の累計が多い選手のラインは評価を下げる
この2つのポイントに気を付けると、これまで以上に稼ぎやすくなるはずです。
とはいえ、予想の基本は、ラインや選手の強さを比べることや、展開予想をすることです。
失格を予想に活かすのは、これらの基本ができるようになってからにしましょう。
また、選手によっては、違反点の累計が多くても、ルール違反を恐れないこともあります。
このあたりは、長い時間をかけて、選手ごとの特徴を覚えていくしかないですね。
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違反点の累計が多い選手は評価を下げる
出典:KEIRIN.JP
失格を予想に活かす方法の1つ目は、違反点の累計が多い選手は評価を下げることです。
違反点の累計が多い選手は、重いペナルティを避けるために無理な走りができなくなります。
すると、普段通りの実力が発揮できないため、車券に絡みにくくなるわけですね。
違反点の累計が多い選手は、KEIRIN.JPの「競輪トピックス」で公開されています。
一覧に載っている選手を覚えておいて、車券を買うときは評価を下げるようにしましょう。
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違反点の累計が多い選手のラインは評価を下げる
出典:KEIRIN.JP
失格を予想に活かす方法の2つ目は、違反点の累計が多い選手のラインは評価を下げることです。
例えば、違反点の多い追込み選手は、他ラインのブロックをしにくくなります。
なぜなら、過度にブロックすると、押圧や押し上げのルール違反になってしまうからです。
すると、その選手がいるラインが逃げている時に、他ラインに捲られやすくなりますね。
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また、違反点の多い逃げ選手は、踏み込みのタイミングが難しくなります。
踏み込みが早過ぎると、先頭員早期追抜きのルール違反になってしまうからです。
すると、その選手がいるラインは、攻めるタイミングが遅れて活躍しにくくなりますね。
このように、違反点の累計が多い選手のいるラインは、少し不利と言えるでしょう。
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【競輪の失格】まとめ
競輪の失格についてまとめると、この4つがポイントです。
- 内側追抜き、押圧、押し上げ、斜行などは失格
- 失格になった選手には着位のはく奪などのペナルティ
- 失格になった選手の車券は返還されない
- 違反点の累計が多い選手は評価を下げる
失格は、選手にとっても、競輪ファンにとっても嫌なものです。
とはいえ、厳しいルールがあるからこそ、魅力的なレースができるとも言えます。
どの選手も、失格にならないようにルールを守って走ってくれるといいですね。
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